ホラー、恋愛、陵辱……。 ホテルの中で繰り広げられる、幾重の物語。 それらは蜘蛛の糸の様に絡み合い、リンクし、 補完しあっています。
書き切れない夢と渇望をページに挟んだ、 密室型ノベルタイプAVGを、 どうぞ。
書淫、或 いは失われた夢の物語。
例えばそれは、 パズルのピースの様にお
僕は目をつむり、 続いてこの広い庭いっぱいに雪が積もっている場面を想像し、 ついでに深紗がその庭のまん中で笑いながら僕に雪玉をぶつけてくる姿を想い、次に―― ため息をついた。
無理だ。 いくら倉庫に食料が残されているとはいえ、冬までには当分持ちそうにない。 無理だ。
庭に出てみた。
「どうなっているんだ、これ―― ? 」 堅く閉ざされたホテルの入り口の扉を前にして、僕は呆然と呟いた。 ぐるりとホテルの周りを囲んでいる壁はとても高く。 その『ふち』に手を掛けることすら、出来そうになかった。
人を愛するだけではなく、 『攻撃する』 想像力があるという事を、私 達は 忘れてはならない。
と思う、たぶん。
できましたか?
次に折り目を目安に、紙の上の方に(書淫、)下の方に(失われた夢の物語。)と書き込んで下さい。
最後に、 折れた紙の中央、左端に丸印をつけて下さい。
はい、ここが「あなたの」物語のスタート地点になります。
わかりますか?
「……ねえ。 あの、テーブルの上に置いてあった手紙、やっぱり本気なのかな ?」
「『冬になったら迎えに来ます』っていうの? まさか」 「でも、現にここの扉、閉まってるじゃない !」
「……」 「……」 そのまま、二人とも口をつぐんでしまう。